20170515

MOKU-HANGA JP

ワークショップの後の板のお掃除と保存

彫ったあとの木の版の保存、版のインクのお掃除についてお知らせしていませんでした。
和紙をのせてバレンで上からこするようにして印刷しましたので、余分なインクはそれほど版に残ってはいませんが、またの機会にその版を使用してもっと刷ることもできますし、あるいはまた違う色で刷ることもできます。彫刻等でもうちょっと彫りたい時や、その版をもとに色の版をつくり、多色刷りの版画を作ることもできます。
そのいつかあるかもしれない次の機会のために、お掃除して保存しておくことをお勧めします。

絵、デザインを板面へ転写するために薄い紙(雁皮紙)を糊で板に貼り付け、彫刻刀を使っていろいろな線を彫ったあと、ふたたびその薄い雁皮紙をお水をつけてはがしたのを思い出してください。
その時と同じように、墨のついた面にお水をそっと流すか、水の入った洗面器かバケツ中でかるく揺らす程度で墨を流します。彫った面を筆等でごしごしと洗ったり、長時間板を水につけることはしないようにしてください。版に残っている墨が跳ねて洋服を汚してしまうことになったり、また版が反り返ってしまったり、せっかく彫った面が傷ついたり、弱くなってしまうので、気をつけて下さい。完全に黒色がなくなるまで取り除く必要はありませんし、とれません。お水で濡らしたスポンジを使うのも便利かと思います。キッチンペーパーかピンクのキッチンクロスを当てて余分なインク、水分を取り去って、十分乾かしてから、新聞紙にくるんでおくのが良いでしょう。また片面は彫っていて、片面は彫っていないので、お水で洗って乾燥させると若干反ることもありますが、気になるほどそりようでしたら本と本の間に挟んでおくなどしてみてください。
また、ビニール袋等に入れて保存すると、十分板が乾燥してない時などのカビ発生の原因になってしまいますので、湿った状態ではなく、しっかり乾燥するまで待つようにしてください。







「版画」の啓蒙普及:木版画
要塞の街デン・ボッシュ駅からも見える黄金のドラゴンの泉Drakenfonteinがある方に降りて、徒歩約10分のところでワークショップやります。デン・ボッシュ訪問が初めての方は、この機会に是非街の散策も予定に入れて、有名なボッシュボレン(https://www.bosschebollen.nl) も是非食べてみてくださいね。(みよしゆりこ)


MOKU-HANGA WORKSHOP:日本伝統木版画技法の紹介
日本の伝統文化、浮世絵木版画を学ぶユニークな体験ができる!


主  催  者:https://81workshops.tumblr.com/workshops
      ※お問い合わせは主催者、筒塩絵美さんまで。参加申し込みは上記のサイトへ。
開  催  日:2017年6月11日(日)
時        間:1) 午前の部10:30 – 12:00
        2) 午後の部13:00 – 14:30
場        所: #werkplaatssessies, Tramkade 9, 5211VB ’s-Hertogenbosch
参加人数:午前午後各15 人まで
講        師:三好百合子(版画家)
参  加  費:一人25,00 ユーロ(通常価格)
※参加費はいずれの場合もハガキサイズのシナベニア1枚、木版画用和紙4枚、日本の材料・道具使用料、飲み物、税込の価格となります。
年        齢:8歳から大人まで。12歳までは必ずおとな同伴でお願いします。
もちろん大人参加大歓迎!
言        語:日本語、英語、オランダ語

-------------------------------ワークショップの内容-------------------------------
「浮世絵」として知られる日本の伝統木版画技法の紹介です。木の板に水性絵具と糊を使い、銅版画や石版画でつかわれる油性のインクは使わず、また大きな印刷機の代わりに丸い「バレン」を手に持って直接「摺る」ことのできる技法です。

1)テーブルの上の実物参考作品や日本製の材料、道具を並べておくので、
まずはそれをご覧になってください。参加者の皆さんが揃い次第、制作工程を簡単に説明します。
2)「絵師」絵を準備します。今回のテーマは「自画像」「顔」です。
3)「彫師」彫刻刀の使い方を学び、シナベニアに絵を彫っていきます。
4)「摺師」彫った版にインクをのせ、バレンと木版画用和紙を使って「摺り」に挑戦します。
この3つの工程をそれぞれに挑戦して、木版画を作ってみましょう。


「浮世絵木版画」って何?「木版画」って何?
日本の伝統文化である「浮世絵木版画」はピカソやゴッホをはじめ、世界中の芸術家たちに影響を与えています。「浮世絵」を「絵」と思っているひとも多いでしょう。もちろん1点ものの肉筆画もありますが、パソコンもプリンターもコピー機もない江戸時代(1603年 – 1868年)の日本で生まれた「浮世絵木版画」は何故同じ「絵」が複数あって、海外に広まったのでしょう?「浮世絵木版画」は「版画」という技法で同じものを何枚も「摺る」ことができる「印刷物」だからです。

ワークショップでは、「版画」を通して「印刷とは何か?」の扉を開く機会も作ります。
普段見る機会も触れる機会がなかなかない、浮世絵木版画制作で用いられた伝統的道具や材料、和紙を使い、絵師、彫師、摺師にチャレンジします。「作品」を完成させることがこの短いワークショップのゴールではありません。とにかく楽しく経験することがとても大事なこと。上手にできなくても大丈夫、時間が足りなくて途中になっても気にしない、それでもきっと面白いものができあがるはずです。私はそのお手伝いをがんばります。版は持ち帰っていただけるので、あとは特別な版画印刷機は必要なし、彫刻刀とバレンと和紙があれば、お家でも出来ます。さらに彫るもよし!もっとたくさん摺るもよし!それぞれに楽しんでもらえれば嬉しいです。

こうして日本の伝統文化のひとつ「木版画」、印刷の歴史と知識、技術に少しだけでもふれることで、私たちの生活の中でいろいろな「印刷物」があることに改めて気づくようになります。ワークショップの経験は、こどもだったら将来大人になった時に、おとなにとっても必ずいろいろな場面で何かに役に立つことでしょう。
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浮世絵版画制作法 https://ja.wikipedia.org/wiki/浮世絵
浮世絵を描く人を浮世絵師、または絵師(画工)と呼んだ。浮世絵師が描いたデザインを木版に彫るのが彫師(彫工)、彩色して紙に摺るのが摺師(摺工)である。共同作業の作品だが、絵師の名だけが残される風習がある。ここに注文主を加えた四者が最低でも必要になる。多色刷りの際に色がずれないように紙の位置を示す「見当」(現在のトンボ)がつけられる。これは1744年に出版物の問屋の主人・上村吉右衛門が考案したとする説と、1765年に金六という摺師によって行われたとする説がある。また、鈴木春信と交流した平賀源内が発明したとも言われる。現代でも使われる「見当を付ける」「見当違い」「見当外れ」という言葉はここから来ている。

1、版元が企画を立案し、絵師に作画を依頼する。
2、絵師は墨一色の線描きによる版下絵を描く。
3、版元は版下絵を、絵草子掛りの名主に提出、出版許可の印を捺してもらい、彫師に渡す。
4、彫師は版下絵を桜の版木に裏返しに貼り、主版(おもはん)を彫る。この時に、絵師が描いた版下絵は彫刻刀で彫られて消滅する。
5、摺師は主版の墨摺り(校合摺り)を10数枚摺って絵師に渡す。
6、絵師は校合摺りに各色版別に朱で色指しをする。また、着物の模様などの細かい個所を描き込む。
7、指示に従い、彫師は色版を作る。
8、摺師は絵師の指示通りに試し摺りを作る。
9、摺師は絵師の同意が得られれば、初摺り200枚を摺る。売れ筋の商品の場合、初めから200枚以上の見込み生産をする。
10、絵草子屋から作品を販売する。



(c) Yuriko Miyoshi // hyottoko & okame // Paper Puppet * Do It Yourself
Japanese woodcut print on Japanese Kozo paper